資格の概要
作業療法士は、身体または精神に障害がある人に対して、そのリハビリを担当していくための専門職です。
資格は国家資格として実施されており、取得をすることにより業務独占で行うことができるようになります。
資格を取得するためには、事前に一定の学歴や実務経験などの受験資格を満たすことが必要です。
受験資格を得るためのルートはいくつかありますが、最短の場合では高等学校卒業後に文部科学大臣指定の学校、もしくは厚生労働大臣指定の作業療法士養成施設で3年以上指定科目を修了します。
ほとんどの作業療法士は全国の医療系専門学校に進学をしており、そこで3年間のスクーリングをしたのちに卒業年度に合わせて国家試験を受験します。
試験は毎年2月下旬に行われており、筆記試験及び口述試験・実技試験として行われる形です。
国家試験の合格率は87.6%とかなり高いのですが、それでも10人に1人以上は試験に合格をすることができないということなので、きちんと学習をしておかなければいけません。
取得によって得られる知識
作業療法士とよく似た資格に理学療法士があります。
作業療法士と理学療法士はいずれもリハビリをするということでは同じ業務を担当しますが、作業療法士の担当分野は工作や手芸、園芸、玩具操作などを用いた「作業」となっています。
先天的な障害もしくは病気やケガによって身体機能の一部が損なわれてしまった人が自立した生活をしていくことができるようにするためには、訓練により日常生活の中の作業ができるようにすることが必要です。
健康なときには気づきにくいですが、私達は普段の生活の中でボタンをはめたり箸を持ったりといった細い作業を行っています。
作業療法士の資格者はそうした日常の作業ができるための訓練を担当していくことになりますので、国家資格である作業療法士では身体機能に基づくリハビリ方法を詳しく学んでいきます。
活用方法
作業療法士の主な勤務先となるのは病院やリハビリセンター、障害者施設などです。
その他にも障がい児施設や福祉施設、高齢者施設など多くの施設から求人が出されています。
最も多いのは病院や独立したリハビリセンターでの勤務で、病院や介護・福祉施設と連携して必要な患者さんに対してリハビリテーションを行っていきます。
リハビリを行っていくためには理学療法士の他、視能訓練士や言語聴覚士など他の身体機能を回復させるためのスタッフとの連携が欠かせません。
チーム体制で患者さんを担当していくことが多いことから、勤務をする施設は一箇所でも勤務場所は複数にわたるということもよくあります。
必要に応じて自宅などに訪問をすることもあり、幅広い勤務方法により仕事を見つけていくことが可能です。