無資格でも介護の仕事に就くことは可能?

人材不足が深刻な介護業界の事情

介護職や看護職は離職率が高く定着して長く勤務することができる人材が慢性的に不足しているということがたびたび指摘されています。
介護関連の仕事をするための技能を備えることができる資格もいくつか存在しているものの、そうした資格制度にしてしまってはますます人材の不足を招いてしまうこともあり就業自体に制限がかけられているというわけではありません。

資格取得はどちらかというと就業をしたあとの待遇や手当のために持っておいた方がよいものとされており、無資格でまずは就職をしてそこで実務経験をしながら受験資格を得て資格を得るという手順が一般的に使用されています。

同じく人材不足が続いている介護職と看護職ですが、決定的に違うのが給与水準です。
取得難易度の高い看護師資格が必要な看護職は人材不足が続く施設では比較的高い給与を提示して優秀な人材を得ようとするのに対し、無資格でも就職が可能な介護職では仮に人が決定的に足りないという場合でも極端に上がるということはありません。

こうした介護職の給与問題は施設運営が苦しいということだけでなく国の制度的な問題によるものなのでなかなか簡単に解消をすることはできません。
しかしながらとにかく就職をしたいという人にとっては間口の広い介護職は選びやすい業界であると言えるでしょう。

介護職を目指すなら資格は持っておいた方がよい

無資格でも就職できるならわざわざ就職前に資格をとっておく意味はあまりないように思えるかもしれません。
しかし現在の介護保険制度では2009年の改正時より、介護職で勤務をする人の給与額は資格や勤続年数、常勤職員比率といったものから加算される方法がとられています。

運営が苦しい介護事業所になってくると、職員が生活できるレベルの給与水準は資格手当てがついた状態で考えられていることが多いので、就職すること自体はできてもアルバイト並の給与しか受けられないという職員も見られます。

介護関連の職種に就くための資格はいろいろありますがやはり最も強いのは国家資格で、介護福祉士や社会福祉士、精神保健福祉士といった三大福祉資格は介護の現場でもかなり強いインパクトとなります。

資格がないという場合でも同じく2009年の法律改正により「介護職員処遇改善交付金」として勤務をする人を対象に受け取ることができる給付金が受けられることになっています。
しかしこの交付金を内部職員にどのように分配するかについてはそれぞれの施設の管理者に一任されているので、就職すれば誰でも自動的に給付金を受けることができないということもあります。

事業所によっては内部職員の不平等感をなくすためわざと交付金を申請しないということもあるので、無資格で就職する場合にはそうしたところもチェックしておきたいところです。

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