保育士の求人状況

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保育士の求人状況

保育士の仕事は慢性的な人材不足が続いています。
少子化が進む一方で待機児童問題が全国的にクローズアップされるなど、保育士という仕事をとりまく状況は依然として厳しいものとなっています。

保育士の仕事は保育所などの託児施設で子供の安全や衛生を確保しつつ、正常な発育をすることができる指導をしていくことです。

そのためには国家資格に合格をして免許を取得しなくてはならず、誰にでも就業ができるというわけではありません。

子供に関わる仕事がしたいと保育士養成課程のある学校に進学をしたり、社会人になってから保育士国家試験を目指す人も多くいます。

しかし実際にそうして苦労をして資格を取得しても、仕事を続けていくことが難しくなり離職をしてしまう人も非常に多くいるのが現状です。

保育士は介護業界に次いで離職率が高い職業とも言われており、求人を探すこと自体は決して難しくはないものの長く続けていくことが困難であるケースが多いということは知っておいてもらいたいです。

参考までに平成27年度の調査によると保育士資格者の有効求人倍率は全国で1.85倍、東京都に限定すると5.44倍にものぼっています。

あくまでも数字上のことではありますが、都内では保育士免許取得者1人に対して5~6の事業所が人材を求めているということになります。

保育士の現状

ここまで極端に有効求人倍率が高止まりしている業界は他にはあまり見られません。
なぜこのようなギャップが起こるかというと、まずその原因の一つとして挙げられるのが給与面の問題です。

保育士を長く続けることが難しい理由として、長年勤務をしても昇給や昇進がしにくいということがあります。

これは保育士に女性が多く、20~30代で一旦結婚や出産のためにキャリアが中断することと、そもそもキャリアパスがしっかり定められていないということがあります。

介護業界や医療業界同様に、国や自治体から補助金を受け取って行う事業ということもあり、私立保育園以外は自由に給与体系を決めることができないという問題もあります。

ただ最近では保育所以外の場所からの求人も高くなってきており、知的障害児施設や肢体不自由児童施設などで保育士資格のある人が急募されていたりします。

一方でこうした保育士の待遇を改善する動きも全国で進められています。
長期にわたり就業をしているベテラン保育士の給与を高くしたり、就業時間が長くなりすぎないように配慮をするというようなケースです。

保育士の平均年収額は約317万円と、民間企業平均や小中学校教諭と比較して大きく下回っています。
また非正規雇用が多いとういことも保育士人材が定着しにくい理由となっているので、今後はそうした部分の改善が期待されます。

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