資格の概要
理学療法士は、大きな事故や病気によって体の機能が損なわれてしまった人に対し、社会復帰ができるように温熱・光線・電気・マッサージなどを用いて回復のためのリハビリテーションを行っていくための資格です。
交通事故などによって複雑な骨折をした人や、脳梗塞などによって半身不随となってしまった人などは、以前までのように歩行や走行などの動作をしていくことができません。
しかし人の脳機能や身体機能は新たに動作の訓練をしていくことにより、障害以前とほとんど変わらないくらいにまで回復できるようになっています。
そこで科学的な療法を用いてより効率的に回復をさせていくようにすることが、理学療法士としての仕事になります。
資格試験は毎年1回2月に行われることとなっていますが、受験をするためには事前に受験資格を満たすことが必要です。
受験資格を満たすためのルートはいくつかありますが、最短では高等学校卒業(もしくは大検取得後)に文部科学大臣指定の学校、もしくは厚生労働大臣指定の理学療法士養成施設で3年以上の指定科目を修了するという方法があります。
その他にも外国で同様の資格を取得した人など同等の能力があるとみなされる人は受験が可能となっているので、自分の受験資格については、試験を主催している厚生労働省の医政局医事課試験免許室に問い合わせをしてみるとよいでしょう。
取得によって得られる知識
理学療法士と関連の深い資格として作業療法士があります。
作業療法士は日常生活で発生する動作(着替えや食事などを自分で行うための動作)を担当するのに対し、理学療法士は体の機能そのものを回復することを担当するものです。
実際の業務においては患者さんを担当する医師の指示のもと、物理療法や運動療法など複数の方法を用いて身体機能の回復を目指していきます。
医学的リハビリテーションを行う理学療法士制度が初めて設置されたのは昭和40年6月と古く、もともとは労働災害により身体に障害を持つ人が急増したことに対応することが目的でした。
その後は重大な労働災害事故は以前までよりもかなり少なくなりましたが、代わって生活習慣病由来の重大な疾患による患者が増えたことにより、理学療法士は依然として高いニーズがあります。
活用方法
主な職場となるのは病院やリハビリテーションセンターなどです。
理学療法士の担当する分野は大きなリハビリ用機器が必要になることから、大型施設に勤務をすることが多いでしょう。
リハビリをしていくときには担当医、看護師、作業療法士などと連携をしていくことが必須となっており、治療の進行に合わせてリハビリを進めていくというコミュニケーション能力が問われます。