資格の概要
福祉力検定は、これから福祉業界に就職を考えている学生や、転職を考えている社会人に対して福祉サービスの概要を学ぶことができる試験として位置づけられています。
既に社会福祉関連の仕事をしているという人に対しても、キャリアアップのために受験をすることが推奨されており、資格を取得することにより現行の福祉制度について詳しく知ることができるようになっているのです。
介護関連企業などでは職員に対して団体受験を推奨しているところもあり、社会福祉を担っていく人材のレベルアップを目的としています。
ただし、資格そのものは社会福祉士や精神保健福祉士のような具体的な業務を前提とするものではないため、取得をしたからといって特に待遇などがアップするというわけではありません。
あくまでも勤務をする人たちがその知識を確認して、有効な業務を提供できるようにするということが目的となっています。
全く社会福祉についての知識がないという人にとっては初学にちょうどよいレベルとなっているので、この資格をスタートとして、そこから新たに専門的な資格に挑戦していくというのがよい方法と言えるでしょう。
取得によって得られる知識
福祉力検定を主催しているのは一般財団法人日本福祉力検定協会で、受験は随時行われています。
「CBT受験」という全国47都道府県の提携会場から選ぶことができ、パソコンを通じたオンライン試験という方法で行われます。
試験は1~4級の4段階で設定されていますが、現行では2級および3級のみが実施されています。
主な受験生は3級は高校生以上、2級は大学生以上で、社会人を含むこれから社会福祉業界に入ろうと考えている人全般です。
3級での学習範囲となっているのは福祉の理念や高齢者の理解、障害者の理解やコミュニケーションといったことです。
2級になるとそうした項目をさらに詳細に学習するとともに、母子・児童や医療福祉一般についても学びます。
活用方法
福祉力検定を受験するときには、協会が発行する公式テキストの購入が勧められています。
実際のテストでは3級は50問、2級は100問の出題となりますので、それらについて範囲が明確になるテキストをしっかりと学習することにより、実務に役立つ知識を仕入れることが可能です。
問題集を解いていくことにより、実生活の中だけではわかりにくい業務の内容について詳しく知ることができるようになります。
そうした福祉の現場における想像力を養えるというのが、福祉力検定の最大のメリットです。
福祉の心と福祉の知識を合わせたものが「福祉力」として定義されていることもあり、全く福祉についての知識がない人ほど受験すると良いでしょう。